外国為替の相場予測

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「DVD 外国為替の相場予測」

テキストより

◎予測手法

予測にはいろいろな手法がありますが、大きくは、投影法、類推法、計量法に分けることができます。投影法は投影して考えていく方法で、類推法は類推して考えていく方法、計量法はこれらの合わせ技になります。

 

◆投影法

■タイム・シリーズ法

タイム・シリーズ法には多くのものが含まれますが、要するに、時間とともに変化していく様を考えるのがこの方法です。回帰分析や時系列分析、テクニカル分析の移動平均線などもタイム・シリーズ法です。

■コリレーション法

コリレーション法は相関関係を読む方法です。たとえば、「米国のGDPの成長率がこうなったときに、外国為替相場はこのように動いた」という因果関係が週去にあった場合、「今度、米国のGDPの成長率がこうなったから外国為替相場はこう動くであろう」と考えるのです。しかし、本当の因果関係というのは、意外にわかっていないことが多いのです。

 

◆類推法

■クロス・セクション法

クロス・セクション法は時間と空間を超えた方法です。たとえば、米国で1人当たりのGDPがいくらになると、米国人は2台目の車を買いはじめるということがわかっていた場合、日本も1人当たりのGDPが米国に追いついたときに、米国で起こったことと同じ現象が起こるかもしれない、と考える方法です。当然、駐車場のスペースの間題や、物価との兼ね合いもありますから一概にはいえませんが。

■メルクマール法

メルクマール法は先行指標を読む方法です。「今日は夕焼空だから明日の天気はよい」「海風が向こうから吹いているから午後は荒れるだろう」というように、過去の経験則から得られた先行の指標で将来を考えるのが、メルクマール法です。

■デルフアイ法、コントラリー・オピニオン

デルファイ法は、ギリシャの神殿の女神の名前からきています。簡単にいえば「クイズ100人に聞きました」ということです。目本の著名な経済学者、社会学者100人に「10年後の日本の経清、社会はどうなっていますか」とアンケート調査をして回答をもらいます。そして、各人に残りの男人の学者の回答を見せ、意見を変えるか、そのままでよいのかを確認します。おそらく男人の意見に引き寄せられていくはずです。この方法を何度か繰り返して、将来は皆のコンセンサス通りになると予測するのがデルファイ法です。さて、デルファイ法の1つにコントラリー・オピニオンがあります。コントラリー・オピニオンとは反対意見と訳されることもあるようですが、さかさまに考えるという意味です。たとえば、ディーラー100人に「ドルは上がりますか、下がりますか」と聞き、100人のうちほとんどの人が上がると答えた場合、おそらくその瞬間からドルは下がります。100人全員が上がると答えた場合には、皆が買った後で、誰も買わないからです。コントラリー・オピニオンでは、将来は、皆が考えている通りにはならないと考えます。これが相場のおもしろいところですが、デルファイ法と結論を違えて便うのがコントラリ-・オピニオンです。

 

◆計量法

■リニア・プログラミング法

リニア・ブログラミング法は、一筆書きみたいなものを考えればわかりやすいでしょう。たとえば、新間配達をするとき、Aさん宅、Bさん宅、Cさん宅の順に回るのが一香効率的なのか、違う順で回ったほうが効率的なのかということを考えるわけです。Cさん宅前を朝7時に嫌いな大が散歩するのでどうしようかなどと予測しながら道順を考えなくてはいけません。これがリニア・プログラミング法です。

■エコノメトリック法

エコノメトリック法の多くはタイム・シリーズ法とコリレーション法をコンピユータを使って計算する方法です。方程式の数は、景気を予測する場合、417本ぐらいが適当だといわれています。これが当たるかというとなかなか当たらないものですが。

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▼ 林康史プロフィール

林 康史(はやし・やすし)

立正大学経済学部教授/法学修士。

主な担当分野

【学部】金融論、国際金融論、証券論、中国金融。

【大学院】金融特論、金融特殊研究。

 

大阪生まれ。大阪大学法学部卒。法学修士(東京大学)。クボタ、住友生命保険、大和証券投資信託、あおぞら銀行(職務経験は、輸出営業、原価管理、為替ディーラー、エコノミスト、ストラテジスト等)を経て、2005年から現職。華東師範大学(客員教授)、一橋大学(非常勤講師)、日本学生支援機構 機関保証制度検証委員会(委員長)等。その他、評論活動等。

 

主な著書・訳書
『株式投資 第4版』『基礎から学ぶデイトレード』(監訳)『マネーの公理』(監訳)以上、日経BP社、『決定版 株価・為替が読めるチャート分析』『ジム・ロジャーズ中国の時代』(共訳)『人生と投資で成功するために娘に贈る12の言葉』(監訳)『欲望と幻想のドル』(監訳)以上、日本経済新聞出版社、『欲望と幻想の市場』(訳)『相場のこころ』(訳)以上、東洋経済新報社、他。DVDに、『テクニカル分析を極める短期集中講座』(全4巻=8本)『相場で勝つための心理学』『解説!デイトレード 第1巻』『BS―JAPAN 相場の心理学(上・下)』、他。

 

現在の研究テーマ

(1)金融システム・金融法

(2)マーケットストラクチャー・価格形成メカニズム

(3)行動ファイナンス

(4)パーソナルファイナンス

(5)金融教育

(6)ドル化

(7)貨幣論・地域通貨

(8)マイクロファイナンス

(9)商品論

(10)石橋湛山

 

主な研究実績
(1)共著(木下直俊・林康史)

「“ドル化”国の中央銀行の役割と政策」全国銀行協会『金融』(第800号)2013年11月

(2)共著(林康史・木下直俊)

「ドル化政策実施国における金融政策―エクアドル・エルサルバドル・パナマの事例―」『経済学季報』(第64巻第1号)2014年7月

(3)共著(林康史・歌代哲也・木下直俊)

「エクアドル・エルサルバドルの補完通貨UDIS」『経済学季報』(第64巻第2・3号)2015年1月

(4)共著(林康史・劉振楠)

「グラミン銀行とマイクロファイナンスのコンセプト―奨学金制度のビジョン再検討のために―」『経済学季報』(第64巻第4号)2015年3月

(5)共著(畠山久志・林康史・歌代哲也)

「外国為替証拠金取引規制―わが国におけるFX取引の沿革と現状―」『経済学季報』(第65巻第1、2、3・4号)2015年8月、11月、2016年3月

(6)単著

「貨幣とは何か」『貨幣と通貨の法文化』第11章、国際書院 2016年9月

(7)共著(潘福平・林康史)

「人民元の為替相場制度の変遷」『21世紀資本主義世界のフロンティア』第5章、立正大学経済研究所研究叢書31巻 2017年3月

(8)単著

「経営とガバナンスから見た食の安全―日本・中国・韓国の比較―」『経済学季報』(第67巻第2・3号)2017年12月

(9)共著(木下直俊・林康史)

「オデブレヒト汚職事件と中南米諸国への影響」『経済学季報』(第67巻第4号)2017年3月

(10)共著(歌代哲也・林康史)「ベネズエラの共有通貨Panal」『経済学季報』(第67巻第4号)2017年3月

 

所属学会

日本金融学会、金融法学会、法と経済学会、法文化学会、行動経済学会、FP学会