トレンドを加味した新移動平均戦略
計算式・トレードタイミング
移動平均の戦略は1990年代以降下、特にタートルズといわれるレンジブレイクアウト(基本的にはドンチャンシステム)が採用されてからは下火になった。しかし、ドンチャンシステムが2000年代に入って一気にその内容が明らかになるにつれて収益率が低下している。
一方、移動平均戦略はタフで悪化の少ない戦略として見直されてきつつある。特に、移動平均戦略はダブルクロスオーバーという方法で利益確定にも利用可能である。
<第一ポイント>
移動平均は仕掛け用と手仕舞用のクロスオーバーの2セットを用意する。
これは、タートルズなどのドンチャンシステムでも同じであるが、長いクロスオーバーで仕掛け、短いクロスオーバーで利食いをすることによって安定した収益を上げようとする作戦である。
<第二ポイント>
フィボナッチ級数を移動平均の数、倍数において利用する。
具体的には、3,5,8,13,21といった級数そのものを移動平均に利用し、さらにトレンド判定(後述)にもこの倍数を使うという戦略である。
<第三ポイント>
トレンド判定に長期の移動平均を利用する。
その移動平均は仕掛けシステムの一番長い移動平均の5倍とする。
<第四のポイント>
この戦略は基本的には買いにしか利用しない。
特に株式や商品においてはMAの反応の鈍さから、底値売りになるケースが多いからである。通貨については売りも買いも使ってもいいが、基本的には買いのみの方でパフォーマンスが良好になるケースが多い。
シグナルセット
買いのシグナルを発する移動平均クロスオーバーである。
MA=8(通貨では5)、MA=21
21日移動平均が8日移動平均をクロスオーバーした時点で仕掛ける。
クローズセット
MA=5、MA=13
シグナルセットが完了したのち、5日移動平均が13日移動平均を下回った時に利食い(損切り)。
トレンド判定
このデフォルトセットでの一番長い移動平均は21なので、21X5=105
105日移動平均をトレンド判定とする。
以上からセットアップを作る。
<セットアップ>
① 今日の終値は105日MAよりも5日MAよりも高い。
② 今日の5日または8日移動平均は21日移動平均より高い。
③ 明日の寄り付きで買い。
<利食い・ロスカット>
1.①のセットアップが完了している。
2.今日の5日移動平均は13日移動平均より低い
3.今日の引けは5日移動平均よりも13日移動平均よりも低い。
4.翌日の始値で損切り。