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🔻 分析手法
◇ はじめに
サイクル理論は、ウォルター・ブレザート(Walter J Bressert)とジェイムズ・ジョーンズ(James Hardie Jones)が1981年に発行した「The HAL Blue Book」で最初に提案されたものです。サイクルとテクニカルを最初に一体化し、サイクルの周期性を前提に取引するのは非現実的であるとしています。
エリオットやギャンなど緻密な分析によって投資スタイルを固執するよりも、相場環境に応じて随時サイクルを検証することが重要であると考えます。
「225 BRAIN」におけるタイムサイクル分析では、長期波動を定義した上で、転換点やサポートラインを詳細に日数基準で検証しています。
著名なサイクル理論
ギャン
(1878~1955年)
ファンダメンタルズに精通し、時間の概念をテクニカルに導入。
細田悟一
(1898~1982年)
ペンネーム
一目山人(いちもくさんじん)
都(みやこ)新聞(現 東京新聞)に株式・商品市場担当記者として勤め、商況部長として活躍する。ギャンの著作や論文から影響をうけた可能性はある。
レイモンド・アレン・メリマン
(1946年~)
米国におけるサイクル・アナリスト、アストロロジャーの第1人者。日本で初めて相場アストロロジーの理論、及び、相場サイクルの理論を紹介。
陥りやすいテクニカル分析の罠
投資家は、ある手法で収益を得る経験をすると、それに執着してしまい相場環境の変化に機敏に対応できなくなりがちです。過去のパターン分析やシステム売買への特化は一時的に有効かも知れませんが、相場環境の変化や現状の変動ファクターを随時チェックしていなければ、パフォーマンスが反転した場合の対応ができません。特に視覚にごまかされるテクニカル(移動平均・サイクル理論・ペンタンゴン・一目均衡など)は、儲かるという前提で見てしまうことで錯覚に陥りやすくなっています。
既存のテクニカル分析は統計学であり、将来を保証するものではありません。機敏に対応しすぎると投資スタイルが安定せず、思惑だけの売買に向かってしまいがちです。システムロジック・システムバイアスはパラメータを変更するのではなく、相場環境に応じて進化させることが重要です。
市場と取引環境の変化
ネットからの情報・データの入手が容易になったことで、個人のデイトレーダー化が加速しました。更に売買手数料無料化への傾向とネット環境の整備により、これまでの短期サイクルは更に分割された1分足・5分足といったミクロサイクルが分析データの主流となっています。
その結果、これまでの1日をサイクルとした短期サイクルは、相対的に短期ではなくなりました。特に日経225はMINI・ナイトセッション・CME市場の整備によって投資環境が激変。過去のデータ分析の主流である日足・週足を基準とした分析では歪みが大きく、ピンポイントでの相場参入には適さなくなっています。
ギャン理論でいまだに未知の世界である「時間と価格の融合」つまり時間を価格に転換する方法、価格を時間に転換する方法は、サイクル分割と時間アングルを利用して視覚的に判断すると理解しやすいと思います。
時間と価格を視覚的に判断する方法は、有効にトレンドを捉えるには最適ですがシステム化できません。これまでにギャンの基礎知識は幅広く普及していますが、実践での売買手法が開発されていないのはそのためです。

◇ 日経225分析手法
日経225では長期サイクル分割を定義し、そこから1分足まで徐々に細分化。サイクルの時間・価格のターゲット、投資タイミングに利用します。また、相場環境に順応するシステムバイアスを駆使し、ピンポイントのタイミングからデイトレードにおける実践的手法として活用できます。
225最適サイクル分割
売買戦略の構築
長期波動を定義した上で、転換点やサポートラインは下記方法で分析します。
1) ギャンの定義を使用し、過去の重要な高値の周期・安値の周期を抽出。
2) 精度をあげるために、すべてのカウントは東京市場の営業日ベースを基準。
3) 短期サイクル分析では、時間の経過を重視し、1分チャートを使用。
4) 出来高ポイント、日中引値・高値・安値をブレイクポイントとして重視。
類似サイクルのチェック
6ヶ月サイクルにおける現在のMCの位置
MCにおける現在の経過日数と変動値幅・変動率
↓
類似サイクル抽出後のチェック
サイクルの合計日数
起点からトップまでの上昇値幅・上昇率・日数
トップからボトムまでの下落値幅・下落率・日数
↓
類似パターン抽出とアングル作成
1分足連続チャートで類似フォーメーションを確認
ボトムあるいはトップを基点にアングルを作成

システムバイアス
日経平均と日経平均先物の約30年分(1990年~)のバックテストによる既存システムの最適化、オリジナル売買手法ロジック。初心者にも理解しやすい用語で解説し、デイリーベースで前日の結果から当日の売買テクニック(目標値・決済方法など)まで掲載。 |
アニバーサリー
ギャン理論の中で最も単純で有効な手法であり、天井や大底など相場の転換点となるポイント。最低5年できれば10年以上の検証と直近データにおける微調整が必要ですが、当サイトでは20年以上の検証データを基準に分析しています。 |
225BRAINは、日経平均及び日経平均先物のバイアス/システム/トレンド等を金融市場すべての情報を基に分析し、短期から中期の価格バイアス検証と売買テクニックを解説しています。
システムバイアスの各ページで掲載している内容は、プレミアムMAX 金融レポートで連載した「新トレーディング手法解説バージョン(2012年9/17号~2018年1/30号)」から抜粋、テーマ別にわかりやすく編集しています。
アニバーサリー戦略は、相場の転換点を的確に捉えることを目的として作成したものであり、有価証券の売買の勧誘を目的としたものではありません。
▼ 225BRAIN 執筆者
山本 雅俊

1986年 太平洋証券(現在「三菱UFJモルガン・スタンレー証券」)入社。金融法人部に配属され、地方銀行、短資会社、信用金庫、信用組合を担当し、株式・債券・投信・短期資金業務の統括を行う。特に短期資金業務では銀行間の資金移動を証券会社経由で瞬時に大量に行う仕組みを構築し、業界で注目された。社内的には、先物・オプション業務における社員教育・営業企画戦略に携わる。また、地方銀行の本店資金証券部及び銀行頭取に接触し、綿密な法人営業も展開した。
1992年10月ダイワフューチャーズ(現在「ひまわり証券」)入社。金融商品におけるシステム売買の構築(日経平均・JGB・為替・コモディティー)と営業戦略商品の開発。金融商品ディーリング(日経平均・JGB・短期金利・コモディティー・オプション)。金融・貴金属・株式・穀物・為替のファンダメンタル分析及び営業部門・顧客への情報提供を行う。特に天然ゴム相場に精通し、タイ現地法人・倉庫会社と密接な関係を構築した。流通ルートとコスト、価格の分析では業界NO.1の地位を確立し、日経新聞・日刊工業新聞・ロイター・ブリッジなどマスコミから取材を受け、掲載されていた。
2009年6月より約10年間に及び、225BRAINを執筆配信。